19歳の青年が立ち上げた、725万トンもの海洋ゴミを回収するプロジェクトがいよいよ現実に!

19歳の青年が立ち上げた、725万トンもの海洋ゴミを回収するプロジェクトがいよいよ現実に!

Boyanくん、キミこそ新しいクリエイターであり真のデザイナーだよ!

 海辺を歩いていると岩陰などでよく目にする空のペットボトルや洗剤のプラスチック容器……。よく見るとそこには日本語ではない文字がプリントされており、一目で外国から流れ着いたものであることがわかる。もちろん、その逆に、外国のビーチには日本製のペットボトルやプラスチック容器が散乱している。もっと微細なプラスチック破片も含めて、海にはいったいどれだけの量の有害ゴミが浮遊しているのだろうか?

 社会における「所有」から「共有」への価値の転換を活写したレイチェル・ボッツマンとルー・ロジャースの「シェア」(NHK出版)には、「太平洋ゴミベルト」と呼ばれるプラスチックゴミの島のことが紹介されている。世界各地で投棄された腐食しないゴミたちは、海流に乗って特定のエリアに流れ着き、そこで集積/累積されるのだ。そうしたゴミの溜まり場は日本とハワイの中間の沖合にも存在しており、その面積はなんとテキサス州の2倍にあたる。

 この誰も手を付けない問題に、一人のティーンエイジャーが立ち上がった。現在オランダのデルフト工科大学に在籍するBoyan Slatくんは、高校時代に海に漂う膨大な量のプラスチックゴミを回収する独自のシステム「The Ocean Cleanup Array」を考案。「TEDxDelft 2012」でのプレゼンテーション動画(下段に掲載)はYouTubeにもアップされ世界中で大きな話題を呼んだ。そんなBoyanくんのプロジェクトがいよいよ現実に動き始め、進捗を報告する動画がYouTubeで公開された。

 「The Ocean Cleanup Array」はプラスチックゴミが漂流してくる海域に仕切りとなる長大なポールを浮かべておき、そこで塞き止められたペットボトルやプラスチック容器、プラチック破片などをモーターで吸い上げて回収するというもの。相当大掛かりな設備だが、日々発生するコストは除去したプラスチックのリサイクルによって充当可能とのこと。試算ではこのシステムを用いて年間725万トンもの海洋ゴミを回収できる。初期費用は、彼の主旨に賛同した100名あまりの人々によって組織される「The Ocean Cleanup」のWebサイトでクラウドファウンディングによって集められた(現在も募集中)。

 モノを売るためのクリエイティブ、付加価値を生み出すためのデザイン……。そんな常識に亀裂が入って久しいが、社会や経済の中心はやはりいまだにそうした旧弊な原理で稼働している。しかし、Boyan Slatくんのような若い世代から新しい創造性が芽吹いていることも事実だろう。もう動き始めた人々は既に先に行っている。20世紀に止まる人達と21世紀に生き始めた人達、そのギャップは今後も広がり続けていくに違いない。