グラフィックの世界と現実の世界の境界線をなくす新しいパフォーマンス。enraの新しい動画が凄い!

グラフィックの世界と現実の世界の境界線をなくす新しいパフォーマンス。enraの新しい動画が凄い!

 enraがまた新しい動画をアップロードした!

 今回の動画のタイトルはTorque starter。「トルク(英語: torque)は、力学において、ある固定された回転軸を中心にはたらく、回転軸のまわりの力のモーメントである。」(wikiより)。また、スターターは車に付けるエンジンの始動用電動機のこと。Torque starterは回転始動電動機という意味だ。

 その名の通り、今回の動画はジャグリングの道具の1つディアボロを使い、エンジンを始動させるために回転して着火させるようなモーショングラフィックと連動させたパフォーマンスだ。

 あまりに見事にモーショングラフィックの動きとディアボロの動きがマッチしているため、プロジェクターに映し出された映像の中でパフォーマンスしている事を忘れてしまう。映像の中でディアボロをパフォーマンスすること自体がたぶんまだ世界でenraしかやっていないのではないか。

 enraがクリエイター集団として凄いところは、『映像の中でパフォーマンスをする』というコンセプトだけではなく、映像、音楽やサウンドエフェクトまでも全て自分達で制作していることだ。音や映像のクリエイターだったらわかると思うが、音と映像のレベルもハンパない。それをさらにパフォーマンスまで落としこむのは本当に凄いクリエイティブだと思う。

enra ” Torque starter “

やっぱり世界最高峰のパフォーマンス

 また、前にUPLOADでも記事にしていたenraの単独公演が5月10日、11日に行われた。

 

 実際に会場に足を運んで見て来たのだが、素晴らしいパフォーマンスで本当に心が震えた。全部で1時間の公演だったが、あっという間に時間が過ぎた。

 見た事がない映像演出の数々。凄いたくさんのアイデアが詰め込まれている。最初から最後までプロフェッショナルなパフォーマンスで最初の公演とは思えないパーフェクトな構成だった。

 enraの映像とダンスを同期するパフォーマンスが他のアーティストのパフォーマンスや公演と決定的に違う事が、『空間と時間をコントロールしている』ことだ。今回紹介したTorque starterのディアボロの動画でも、一瞬で空間が3Dになり、見ている人のスペースも一緒に動いているような気になる表現がある。ライブで見ると、さらにその空間が『動く』感じが迫力があった。これは普通の舞台では表現出来ないものだ。また、スローモーションなどの表現などは時間をコントロールしていて、これも普通の舞台では絶対に表現出来ない。ダンスと音でスローモーションを表現する事はあっても、空間と映像でスローモーションを表現することは全くの別表現だと言えるほど凄い迫力があった。

 さらに機材的な事を言うと、1日レンタルするのに数十万かかる超大型プロジェクターを使用していた。プロジェクターのレンタル代だけで、今回のチケットの売り上げは吹っ飛ぶはずだ。それでも日本で初公演をする意義はあったに違いない。何度も出来ることではないはずなので見れた人はラッキーだ。

 enraのチームリーダーであるHanabusa氏はenraを始める前にカゲムという映像パフォーマンスユニットをやっていた。カゲムの動画は世界中で大絶賛され、日本でもその新しいコンセプトとハンパないレベルの高い表現に映像作家の中で話題になった。

KAGEMU – BLACK SUN –

  KAGEMUのコンセプトはその時代には衝撃過ぎて、世界中のアーティストが同じようなパフォーマンスをしようと試み、中には盗作騒ぎまであった。紆余曲折あり、今はKAGEMUでパフォーマンスしていたダンスチームはOrientarhythmとして、Hanabusa氏はenraとしてそれぞれ個別に活動しているようだ。

 そのアイデアが良ければ良いほど、同じようなパフォーマンスを試みるアーティストは増える事は間違いない。カゲムの時代は悔しい思いをしたかもしれない。しかし今、enraのパフォーマンスを見ると普通のアーティストには絶対に真似出来ないところまでダンス、音、構成、アイデアが突出している。

 世界中の映像系のパフォーマンスを見てきたが確実にenraのパフォーマンスは世界最高峰だ。次にenraが出してくる新しいアイデアが詰まった動画が楽しみでしょうがない。