いま、表現するとはどういうことか? World Orderが教えてくれた答え

worldorderimage

「特定秘密保護法案」が可決された翌日の12月7日、須藤元気氏率いるパフォーマンスユニット「World Order」の新作PV「Last Dance」が YouTubeにアップされた。須藤元気氏はレスリングや総合格闘技の選手として活躍後、拓殖大学レスリング部監督、世界学生レスリング日本代表監督を歴任。俳優や作家、ミュージシャンとしても活動しつつ、2009年にはパフォーマンスユニット「World Order」を結成。疾走感と透明感に満ちた楽曲のクオリティーもさることながら、スーツに身を包んだメンバーが無機質なダンスを披露するPVが世界中で話題となっている。東京オリンピックの開催決定直後に公開された前作「Welcome to TOKYO」のPVは、約2カ月で200万回再生に迫る勢いだ。

そして、この「Last Dance」……。東京電力本社前から始まる映像は、東京の見慣れた通勤風景などと共に経済産業省、脱原発テント、財務省、最高裁判所などを次々と映し出していく。黄色い落ち葉が敷き詰められた銀杏並木をジョギングする人、犬を連れて散歩をする人、世界遺産に登録された美しい富士山、そして原子力発電所とおぼしき施設が向こうに見える砂浜……。

このPVが誰に何を訴えているのか、それは観る人それぞれが、各自の立場や信条に従って解釈することだろう。ただ、具体的なメッセージが饒舌に語られているわけではないのに、この映像を観ていると、何とも言えないやり切れない思いに包まれる。そして同時に「表現すること=発言すること」という、忘れかけていたクリエイティブの基本をもう一度思い起こさせてくれる。未来への課題が数え切れないほど放置されている現在の日本、そして世界。未来を切り開く力が創造性だとすれば、創造性はもはや社会性や政治性を帯びざるを得ないだろう。これからの本当のカッコよさとは何か? その答えを「World Order」は提示してくれている。

最後にこのPVの公開にあたって須藤元気氏本人がTwitterで呟いていた言葉を引用しておこう……

「最後まで踊り続けるのは誰だろう」