総勢70組!取り壊し予定のビルを丸ごとアート作品に変えたプロジェクトが凄い!!!

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 スーツ姿のサラリーマンが行き交う麹町のオフィス街に、馴染まない風貌の集団が出入りするビルがあるらしい。それが“BCTION”。美術家の大山康太郎氏と写真家の嶋本丈士氏が主体のアートプロジェクトだ。取り壊しが決定したビル一棟全てを、若手気鋭アーティストとその賛同者たちがDIY精神のもとアート空間へ変えていく。

 アート空間と言っても、普通に絵が飾られている美術館とは違う。ビルそのものがカンバスとなり、アーティストが建物の至るところに思い思いの作品をぶちまける。単なる作品置き場を、丸ごと作品にしてしまう。

 絵を描いた事のある人なら分かると思うが、カンバスをはみ出る恐怖は底知れない。私は何かを描くとき、まず頭の中に広がる妄想を四角く切り取るところから始める。だからこそ、恐怖と同時に沸き上がるカンバスの外への憧れ。枠にハマらない格好良さ。それがストリートに身を置くアーティストの魅力だと思う。枠の外へと筆を走らせていく様子が、羨ましくも、本当に格好良い!

 もちろん絵だけではなく、茶道裏千家の准教授である松村宗亮氏が、髑髏作家として知られる丸岡和吾氏の制作したお椀と畳でお手前を披露するなど、コラボがかなりアツい!!

 AKIKO NAKAYAMA氏の動画を観て「こんな分野があったんだ!」と知ったり、刺激は絶えない。A液とB液を混ぜる仕事ってなんだ!? 色彩と光源の関係なんて考えた事もなかった。

 Frankie Cihi氏は野望家だ。BCTIONは他にも多くのアーティストの動画をあげているが、私はその中でも特にFrankie氏の言葉に共感した。この建物の中では珍しくポップな色合いと絵柄だが、けっして和を乱さない。他の作品との「コラボ」が出来ているからだ。この「コラボ」が「和」であり、日本独特の文化であると教えてくれる。

 とにかく、ただの作品展覧会じゃない! 何かが変だし、普通じゃない! 今何かが起きている! という感覚。こんなに多くのストリートアーティストが1つの場所に集まって何かを成した事が、今までにあっただろうか。日本のこれからを見据えた新たなムーブメントの先駆けになっている。そんな予感が肌を粟立たせ、ゾクゾクさせる。

 舞台となった麹町のビルは9階建てだが、BCTIONには10階展示場が存在する。現代のストリート「インターネット」だ。ハッシュタグを用いて誰もが参加出来る。ハッシュタグが一般に浸透して随分経つが、そこに「10階」という空間を作ってしまおうという考えが凄い。

 このアートプロジェクトは無料で公開されている。つまりこのプロジェクトに参加してもお金儲けは出来ない。それなのに最初50組だった有志アーティストは、結果的に70組になったそうだ。好きな事に夢中になっていて、気がついたらここにいた。とでもいった感じだろうか。心臓の高鳴りが強くなる方へ歩いていたら、思わぬ景色が見られる事がある。今回にしたってそうだ。きっと何かをせずにはいられなくなる。

 公式サイト→ http://bction.com

 会期は9/1-9/15。時間は12:00-20:00。会場は「麹町 某オフィスビル」。チケット入手者にのみ詳細連絡がいきます。チケットは無料ですが完全予約制となっており、残りわずかです。