イギリス競馬伝統の障害レース「グランドナショナル」(7242m、40頭立て)がカオス!

イギリス競馬伝統の障害レース「グランドナショナル」(7242m、40頭立て)がカオス!

伝統文化か? 動物虐待か? イギリス人の大好きな超過酷障害レース

 近代競馬発祥の地と言えばイギリス。世界各国で行われる最高峰のレース「ダービー」も、1780年にイギリスのダービー卿等によって創設されたものが起源となっており、毎年6月の第一土曜日に行われるイギリスのエプソム競馬場で行われる英国ダービーは、まさにダービーの中のダービー、世界でも最も伝統と格式あるレースである。

 実はそのダービーよりも遥かに人気のあるとんでもないレースがイギリスには存在する。1839年に創始され170年以上の歴史を持つ「グランドナショナル」である。障害レースとはコースにいくつも設けられた障害を飛越しながらゴールを目指す競争で、日本でも日本中央競馬会(JRA)によって「中山大障害」や「中山グランドジャンプ」といったレースが施行されている。

 ただ、ひと口に障害レースと言っても「グランドナショナル」のあり得なさは桁外れで、日本で年末に行われる「中山大障害」の距離:4100m、障害:11個、出走可能頭数:16頭であるのに対し、「グランドナショナル」は距離:36ハロン(7242m)、障害:30個、出走可能頭数:40頭と、もう訳のわからないことになっている。

 そして今年も4月5日の午後4時15分(現地時間)、エイントリー競馬場で「グランドナショナル」は行われた。出走頭数はもちろん40頭のフルゲート(ゲート、ないですけど)。動画を見ていただければわかる通り、レースは押すな押すなの大騒ぎで、落馬に次ぐ落馬、馬も人も命がけで、結局完走出来たのは18頭である。当然のことながらこのレース、動物愛護団体からは猛烈な批判を浴びており、抗議行動が盛んに行われている。

 伝統文化か? 動物虐待か? しかし、イギリス競馬の馬券売り上げ国内最高という厳然たる事実もあり、このレースによる経済効果を考えると、そう易々とはやめるわけにはいかないだろう。