2+2=5と教える教師と生徒の関係に考えさせられる暗喩とは

2+2=5と教える教師と生徒の関係を見事に描いたショートフィルム

 ショートフィルムの大会で優勝した作品『Two & Two』が作中で表現している強制と自由の狭間が見事だ。

 子供達がおしゃべりをしているクラスルームに教師が入ってくる。すぐに静まり返って起立する小さな子供達を見ると、教師の強権的な統制が伺える。教師が腕時計に目をやると、秒針がちょうど8時ピッタリを指すところで、スピーカーから音が流れ出す。スピーカーからは「今日から少し授業内容が変わったから教師の話を良く聞きなさい」という放送。灰色のクラスルームには目立った色が無い。全てが強権的な何かに統制されていることだけが、生徒の張りつめた緊張感から見てとれる。

 おもむろに2+2=5と黒板に書く教師。ざわめく生徒を「静かにしろ!」と押さえ込む教師。その後、何度も何度も「2+2は?」と教師が聞き、「5!」と答えさせる。

 ここから始まる教師と生徒の関係が何かを暗喩している。

2+2=5 | Two & Two – [MUST SEE] Nominated as Best Short Film of 2012 Bafta Film Awards

 作中では2+2=5と、誰でも分かるような単純な問題と答えで暗喩しているが、これが2+2=5のような明快な問題ではなく、判断の難しい歴史認識だとしたらどうだろう。教える教師の信念が強ければ強いほど、生徒に対して明らかな思考誘導を行ってしまいそうだ。

 ストーリーはフィクションだが、どこの国でも起こりうる強制と自由の関係が見事に表現されている。そして私達の信念が強ければ強いほど、生徒側ではなく教師側にもなりうる事を忘れてはいけない。

Two&Twoオフィシャルウェブサイト:http://www.twoandtwofilm.com
Director: Babak Anvari
Writers: Babak Anvari, Gavin Cullen