初音ミクの文化を産んだクリプトン・フューチャー・メディア、伊藤社長のインタビュー

kuripton

札幌にあるクリプトンフューチャーメディアにお邪魔した。

今は誰もが知るVocaloid、初音ミクの会社だ。

伊藤社長と話が出来たのは少しの時間だったが、今の初音ミクのシーンに対する思いを聞く事が出来た。
「ユーザーに気づいて欲しいのはルールとマナー」と伊藤社長は言う。
伊藤社長と話を聞いていると、育ててきた初音ミク(キャラクターだけでなく、それを取り巻く初音ミク文化)に対する想いとユーザーに対する想いが交錯する。それは『なんでもありではない』という事だ。

伊藤社長「初音ミクをリリースした直後から、二次創作の許諾を求める問い合わせや、無断利用などの苦情も当社に寄せられました。そういった許諾や無断利用の問題を解決しないことには、この文化が世の中に定着しないと考えました。」

初音ミクでこれだけ沢山の創作が行われるなかで、ルールとマナーを合わせて文化にしなければならなかった伊藤社長の言葉の中には苦労がにじむ。
そして作られたのが初音ミクや他のキャラクターを扱うための共有場所としてのピアプロ(http://piapro.jp)と、二次創作に関するピアプロ・キャラクター・ライセンス(PCL)だ。(リンクは要約)http://piapro.jp/license/pcl/summary
クリプトン社は初音ミクとその文化を想像以上に大切にしていた。初音ミクというグラフィックだけ見ると2次元だが、彼女を取り巻く文化や大切にしている人々の思いなどをひっくるめて”初音ミク”であり、その概念は2次元を越えている。たぶん、この概念が分からずに2次元のキャラクターとして扱うユーザーにとっては、”初音ミク”で創作活動をする人たちや、その創作に普段から触れているファンの空気感がいまいち掴めないかも知れない。
初音ミクを使って二次創作をするユーザーは、初音ミクに対する愛情があるなら彼女にもっとリスペクトを払うべきなのだ。「オンラインで何でも共有出来る時代にナンセンスだろう」と考えるユーザーもいるだろう。しかし、何でも共有出来る時代だからこそ、ルールに従う限りは二次創作が公式に許諾されているとはいえ、誰かの著作物や創作物を扱う事に敬意を払うことを忘れてはいけないのだ。伊藤社長と話をして、オンラインに持ち込まれた「人として」という気持ちは大切にされるべきだと強く思った。既存の権利概念を吹っ飛ばす初音ミク文化の中心に居る伊藤社長が、オンラインだから何でも許されるのではなく、オンラインだからこそ人として大切な事を守ろうと訴えるのは今の世の中にとても大切な考え方なのではないだろうか。

伊藤社長「クリエイターにならなければ理解できない、クリエイターならではの気持ちがあります。それが配慮されないと創作を続けていくことが厳しい。世の中にクリエイターが増えれば、自ずと皆がクリエイターの気持ちをリスペクトするようになるでしょう。そういう未来でありたいですね。」

『キャラクター利用のガイドライン解説動画』